初めての参政権、劣悪な労働環境に抗議…沖縄女性たちのあゆみ、公文書館で企画展「現在につながる問題として考えて」


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沖縄繊維スト(沖繊争議賃上げ闘争)で意見を述べる女性工員=1958年4月10日(県公文書館所蔵)

 沖縄県南風原町の県公文書館で所蔵資料展「女性たちの沖縄―公文書館資料にみる女性のあゆみ」が開かれている。近世琉球から現代までに、沖縄の女性たちが人権擁護や地位向上に果たした役割などを資料48点、写真42点でたどることができる。入場無料。7月23日まで。

 展示資料には、近世琉球で商売の担い手となった女性たちも記録された「薩遊紀行 全」(1801年)、沖縄で女性が初めて参政権を行使した選挙を記録した「沖縄諮詢会会議録」(1945年)などがある。72年の売春防止法適用を管理売春の被害者に知らせ「あなたは自由です」と呼びかけるビラも展示している。58年の沖縄繊維工業の女性労働者によるストライキの写真もある。同争議は低賃金と劣悪な労働実態を明らかにし、人権問題として社会の関心を集めた。復帰前、医者のいない離島などで活躍した公衆衛生看護婦の写真も展示している。

 県文化振興会公文書管理課の麻生清香公文書専門員は「沖縄の歴史の中で、声を上げられなかった女性もたくさんいる。現在につながる問題として考えてほしい」と呼びかけた。休館日は月曜、祝日、慰霊の日。問い合わせは同館、電話098(888)3877。

(宮城隆尋)