巨人大城、WBCを弾みに 打てる捕手、経験生かし正捕手の座を奪取<疾走県勢2023春キャンプ>


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紅白戦でスタメン6番で打席に立った巨人の大城卓三。「いい感覚だった」と語った=ひなたサンマリンスタジアム宮崎(謝花史哲撮影)

 打てる捕手として成長を続ける巨人の大城卓三(30)=首里中―東海大相模高―東海大出、NTT西日本=が今季こそ、正捕手の座を手中に収める。西武の山川穂高、オリックスの宮城大弥と共に県出身選手で初めて、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表に選出された。世界で戦えることを大きな弾みに「(リーグの)キャリアハイを目指していく」と準備は万端だ。

 持ち味は長打力だ。昨季は115試合に出場し、前年に続き2桁本塁打の13本を放って自己記録を更新した。安打数も最多の92で存在感を見せた。昨季は中盤に打撃不振で初のファーム落ちを経験。基礎体力を維持するトレーニングを見直し、その後1軍に戻ってからの好調につなげた。体作りの在り方に気付きが生まれ、足腰の強化など秋から早々に体を追い込むメニューをこなした。

 キャンプも順調にスタートを切り、2日間の紅白戦に出場した。12日は6番で打席に立ち、1安打で「思ったよりいい感覚でできた」とまずまずの様子だった。17日からはWBC強化合宿に移り、3月8日の開幕へ最終調整を進める。

 それが終わればすぐにリーグが始まる。「WBCはいい経験になると思う。技術的にも雰囲気もトップレベルでプレーすることで、さまざまなことを吸収したい」。世界の舞台でまた一つ進歩を図り、小林誠司との正捕手争いや、その先のリーグ優勝に照準を定める。

 今月11日には節目の30歳に。プロ6年目で中堅選手に足を踏み入れる。今年は沖縄キャンプはできなかったが、「優勝することが恩返しだと思っている」と、チーム3年ぶりの王座奪還を狙う。

(謝花史哲)