再生医療、基盤構築へ 県、産学連携で細胞製造


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 県は再生医療産業の基盤構築を目指し、本年度から沖縄高専、澁谷工業(石川県)、再生医療ベンチャーのサイフューズ(東京)、佐賀大学と連携した先端医療産業開発拠点形成事業を始めた。将来的に細胞を作る「ヒト臨床用の細胞塊製造装置(バイオ3Dプリンター)」を開発し、県内外に装置や臓器・細胞塊を販売することで、新産業の創出や人材育成、雇用につなげる考え。

 5日、県庁で会見したプロジェクトリーダーの池松真也博士(沖縄高専副校長)は「次世代の装置を技術開発し、沖縄ならではの再生医療を実施していく」と決意を述べた。
 うるま市に金属加工や組み立て工場を有する澁谷工業が、バイオ3Dプリンターを開発・製造する。中俊明専務は「装置は来年中の完成を目指す。製造が始まれば県内の雇用も増える」と意気込む。
 プロジェクトチームは、17年度をめどに、動物実験などで脊髄移植再生治療を実施し、製品化に取り組む考え。同時に、高専を臨床培養士の育成拠点として位置付ける。県の担当者は「県のオリジナル技術として健康医療産業を活性化させていきたい」と話した。
 一括交付金を活用した事業で、15年度は3億円を計上している。