沖縄の県立高校や一部の県立特別支援学校高等部の卒業式が1日、各校で行われた。卒業生はほぼ3年間、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた世代。行事の中止や延期など多くの困難を乗り越え、高校生活を送ってきた。
那覇市の小禄高校で開かれた式典では男子生徒の多くがマスクを外し、晴れやかな笑顔を見せた。式はマスク不着用が基本とされたが、マスク生活に慣れ「恥ずかしいから」と着用したままの生徒も多数見られた。各学校では校歌斉唱の時などはマスクを着用し、ほかは卒業生に一任するなどした。
今年の卒業生はコロナ禍で休校が長引いて入学式が遅れたり、体育祭や修学旅行が中止・延期になったりした。友人との関わりや昼食、部活動など生活全般にわたって、常に感染対策に追われる日々だった。
北中城村の北中城高校からは267人の3年生が巣立った。式では教職員や保護者、在校生たちから祝福されながら、学校生活を振り返っていた。
答辞は新垣永愛(とあい)さん(18)と石塚謙吾さん(17)が務めた。「私たちの3年間はマスクと共にあった」と話しながらも「誰一人としてコロナ禍の高校生活に負けなかった。胸を張って誇れる大人になれるよう精いっぱい頑張っていこう」と力を込めた。
田名裕治校長(55)は式辞で「コロナ禍で多くの制約があり、大変申し訳ない気持ち」としつつ、「勉学に励み、青春の情熱を燃やし、後輩によき手本を示し大きな実績を残してくれた」とたたえた。北中城高校の卒業生は式典の最後にブレザーを高々と投げ上げ、卒業の節目を刻んだ。
(金良孝矢)