「まちぐゎー食堂」開店 空き店舗活用、古写真など展示 「年配者には懐かしんで、若者には歴史感じて」那覇・えびす通り


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那覇のまちぐゎーの古写真などが並ぶ「まちぐゎー食堂」=2月2日、那覇市牧志

 【那覇】一般社団法人なは市場振興会(新里俊一理事長)は2月3日、那覇市牧志のえびす通りに、戦後から復帰前後にかけての那覇の街中の様子を写した古写真やポスター、小物などを展示した「まちぐゎー食堂」を開業した。店舗は同振興会が空き店舗を買い取り改装して活用した。新里理事長は「昔からまちぐゎーで店を切り盛りする先輩たちには写真を見て懐かしんでもらい、最近店を開いた若い人たちには、少しでもまちぐゎーの歴史を知ってもらえたらと思う。これからも老朽化した空き店舗を再生し、まちぐゎーを復活させたい」と意気込む。

 オープン前日の2日には地域で商売をする店主らを招き、内覧会を開いた。浮島通りで「我部商店」を切り盛りする、同通り会会長の我部嘉宏さん(71)は「とても懐かしい」と古写真を見詰めた。我部商店は我部さんの母が1950年ごろ水上店舗で開業し、台湾出身者をつてに豆類を輸入して販売した。その後、当時「千歳通り」と呼ばれた現在の浮島通りに移転した。「浮島通りは昔、金物屋や菓子店などがあって、休日になるとやんばるや南部からバスに乗って来た人であふれ、うちの店の豆を買っていたさ」と振り返る。

「まちぐゎー食堂」を開店した、なは市場振興会の新里俊一理事長(中央)

 4年前に福島県から移住し、まちぐゎーで皮革製品を販売する「SLEAK(スリーク)」の店主、渡邉翔馬さん(28)は「沖縄の商店街は昔から英語表記が多いことにびっくりした。まちぐゎーの皆さんは優しく接してくれるのでうれしい」と笑顔で話した。

 食堂のメニューはゴーヤーや豆腐などのチャンプルー定食や中味汁、イナムルチなどの汁物など。料金は一部を除き680円。店員の前里優子さん(56)は「コロナ禍で静かになったまちぐゎーを、この食堂から変えていきたい。おばぁたちの昔話を聞きながら市場を盛り上げたい」と語った。営業時間は午前11時半~午後10時で、午後5時から10時は居酒屋営業。場所は那覇市牧志3の5の13。
 (金城実倫)