2022年に全国で起きた75歳以上のドライバーによる車やバイクの交通死亡事故は、前年に比べ33件増の379件(沖縄は3件)で、2年連続の増加となったことが2日、警察庁の統計で分かった。1947~49年生まれの「団塊世代」が75歳以上となり始めた影響とみられ、増加傾向が続く恐れもある。
近年は高齢者が運転する車の暴走、死傷事故が各地で相次いで発生。22年5月から、一定の違反歴がある75歳以上に免許更新時の運転技能検査(実車試験)が義務付けられるなど、高齢ドライバー対策が喫緊の課題となっている。
379件は、運転者が最も過失の重い「第1当事者」になったケース。このケースの死亡事故全体の16.7%を占め、統計が残る86年以降で最高の割合となった。都道府県別の最多は千葉で20件。免許保有者10万人当たりの75歳以上による死亡事故は前年と同じ5.7件で、75歳未満の2.3倍だった。
379件のうち車の事故要因を分析すると、ブレーキとアクセルの踏み間違いなど操作ミスが30.1%と多い。事故状況は電柱や標識などへの衝突が24.4%と最多で、人が横断中が15.8%、道路外にはみ出すケースが15.2%と続いた。
22年の事故総数は30万839件。死者は2610人、重傷者は2万6027人で、ともに過去最少を更新した。
自転車に乗った人の事故で死者は336人。うち220人が65歳以上だった。電動キックボードに絡む事故は41件で、死者1人、負傷者41人だった。
(共同通信)