国保不足額、国が補てん 沖縄県に23億円 基金枯渇を回避


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沖縄県庁(資料写真)

 沖縄県の国保財政に交付される国の普通調整交付金(普調)が、見込み額を下回り、県の財政安定化基金から差額の補塡(ほてん)を続けている問題で、県国民健康保険課は3日、2022年度の差額23億2761万7千円が、国の特別調整交付金(特調)によって全額措置される見込みになったと発表した。

 同課によると全額措置は初めてで、全国一律で実施されたという。約16億円に目減りしていた県基金の枯渇は「ひとまず避けられた」という。

 県の国保財政は2018年度以降、5年連続で差額が生じ、計82億円の財源不足が生じていた。このため、2月に池田竹州副知事が厚生労働省を訪ね、差額が生じた理由の説明や5年分の補塡、国費による同基金の積み増しを求めていた。

 県によると22年度分の差額は穴埋めされるが、その他の事項に正式な回答はないという。

(嘉陽拓也)