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沖縄への感謝 星明彦・沖縄総合事務局運輸部長 <仕事の余白>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 昨秋からの連載も今回が最後になった。振り返れば、仕事のお話ではなく、余白の話ばかりしてきたようだ。しかし、最終回でお伝えしたいと思ったことも、やはり仕事のことではなかった。これからの沖縄をつくるための仕事はもちろん大事だが、それはまた別途の場でお伝えできる。本日は、この場をお借りし、沖縄への感謝の気持ちを改めて述べることとしたい。

 沖縄に家族と来て12年、仕事で来て8カ月が経過した。上の子は20歳になり、下の子も幼稚園から中学生になった。下の子は、幼稚園の頃から三線と民謡を教えていただき、今も時々演奏活動をしている。上の子は、海外や東京のフランス人学校で育ち、小学4年生から沖縄の地元校に進学し、引き続き沖縄で学ぶことを選んだ。

 2人とも地域で大事に育てていただいたおかげで、自分の軸を持ち、周りの気持ちを受け止めながら素直に自身を表現できる子に育ったように思う。私も、2人の子供も、共に沖縄の土、水、火、そして土地の神様から温かい恵みと祝福を頂き、よく生きるための生き方や大事な魂を学ばせていただいたように思う。特に、4年前に事故で頚髄を損傷した自分にとって、これほどまでに命と身体の可能性を引き出していただいた沖縄には、感謝の言葉しか見当たらない。

 地域の方々と心を一つに、沖縄に生きる喜びを形にし、これからの沖縄のため一つ一つ恩返しができればと願う。誰も歩いたことがない道を、楽しく前に進もう。