パーランクーを手に「ファイトー」春風と熱い声援がランナーを後押し あやはしロードレース


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4年ぶりに開催のあやはし海中ロードレース。潮風を感じながらトリムマラソンのコースを楽しむ参加者=5日、海中道路(喜瀬守昭撮影)

 【うるま】心地よい潮風を受けながら、4312人のランナーがうるま市の島々を駆け抜けた、第21回あやはし海中ロードレース大会。同市の最高気温は20.3度を記録し、気持ちよく晴れ渡る空の下、沿道からも温かい声援が送られた。

 先頭ランナーが浜比嘉大橋付近を走り抜けた午前9時20分ごろ。同僚を今か今かと待ち構えていたのは、パーランクー持参で応援に駆けつけた高江洲裕子さん(50)=宜野座村=と福谷律子さん(42)=金武町。先頭から間もなくして姿を見せた知人に「ファイトー」と声をかけ、力強くパーランクーを打ち鳴らした。

 ハーフマラソンの折り返し地点となった平安座島平宮の手前では、ランナーもまだまだ余裕の表情を見せていた。同僚の津波古有誠さん(54)を見つけた新里莉紗さん(35)=宜野湾市=は「折り返しはもうすぐです」と声をかけ、飲み物と梅干しを手渡した。津波古さんは「折り返してきたら顔が変わってるはず」と笑いながら、また前を向いて走りだした。

 アップダウンが激しい浜比嘉大橋を走りきり、疲労の色が見え始めたランナーを癒やしたのは、マハロフラスタジオのTeamイリマのメンバー。ハイビスカスの飾りを頭に乗せた伊計衣桜ちゃん(3)も「バイバーイ」と手を振り、フラダンスで鼓舞した。

 ゴールの与那城総合公園陸上競技場まで残り2キロの地点。給水所で「暑い…もう駄目だ」と漏らすランナーにボランティアスタッフが「あと少しだから」と励ましの声を飛ばす。

 次々とランナーが帰ってくる陸上競技場は温かい拍手が鳴り響く。ハーフの部で最後にアーチをくぐった島袋学さん(56)=那覇市=は「来年はもう少し体を絞ります」と笑いながら、足を引きずって完走証発行所へと向かった。
 (新垣若菜)