【宜野座】宜野座村デイサービスセンター(金武司会長)で2月17日、2月の誕生会が開かれた。103歳の田端初さんや100歳の新里光さんら6人の誕生日を祝い、7日にも3人の誕生会が行われた。2月は計9人が祝福された。
祝儀の舞踊として、3年ぶりに地域のボランティア出演が行あり、宜野座村文化協「民踊の会」の会員8人が「めでたい節」「白保節」「だんじゅかりゆし」の息の合った勇壮な舞踊を披露した。利用者も一緒に手踊りし、元気はつらつ、心身の滋養としたようだった。
誕生者の紹介では本人や家族から聞いた半生を司会者が紹介。幼少期から家の手伝いや地域の子守りをし、働きながら学業にいそしむなど、それぞれの波乱万丈な人生には沖縄戦の壮絶な経験が共通していた。
100歳の新里さんは昭和初期、親族がフィリピンに移民したが新里さんは祖母と妹のトヨさんと沖縄に残った。戦争が近づき、フィリピンから沖縄に強制送還されることになった新里さんの親族は船が撃沈され亡くなった。沖縄戦の渦中では幼子を抱えながらも生き延びた。
103歳の田端さんは京都で助産師の資格を取得、宜野座村で助産師や軍作業で生計を立て、村の母子保健推進委員として貢献してきた。田端さんは「取り上げた子は50人から先は覚えてないさ」と、にこやかに話した。田端さんの娘で同社協のヘルパーの仲田順子さんから、ケーキ店「みらいスイーツ」で特別に注文されたケーキが贈られ、皆でお祝いの嘉例(かりー)をいただいた。
(池辺賢児通信員)