相手の声を文字で表示「字幕電話」販売促進へ連携 アイセック×琉球補聴器


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字幕電話サービスの利用促進へ連携を発表したアイセック・ジャパンの一瀬宗也社長(左)と琉球補聴器の森山賢代表=8日、県庁記者会見室

 聴覚障がい者や聞こえが不自由な人向けに字幕電話サービスを提供しているアイセック・ジャパン(うるま市、一瀬宗也社長)は8日、販売促進に向けて琉球補聴器(那覇市、森山賢社長)と提携すると発表した。昨年10月にサービスを商用化したが、十分周知されていない現状も踏まえ、連携でニーズの掘り起こしにつなげる。

 2021年7月に、国内でも聴覚障がい者向けの電話リレーサービスが法制化された。ただ、手話と文字に限られ、欧米で主流の電話字幕のサービス化は遅れてきた。

 アイセック社は22年7月、全国で初めて電話字幕サービスの実証実験を始め、10月に商用化した。月額の基本料金は990円、1回10分まで99円で、10分ごとに99円加算される。

 自分の声で話し、相手の声はオペレーターの手入力か自動音声認識で文字化され会話できるサービスだが、22年3月末までに見込む契約数は170件と、当初計画を下回っているという。

 琉球補聴器の各店舗にサービスのチラシを置くなどして、普及につなげる。アイセック社の一瀬社長は「もう電話はできないと感じている方々にサービスを知ってもらい、広げていきたい」と強調した。琉球補聴器の森山代表は「お互いが蓄積してきた技術やノウハウで、同じハンディキャップで悩んでいる方をお手伝いできる」と語った。
 (當山幸都)