学校駐車場、6市町で教職員ら有料 「公務使用」多く、免除の要望も 沖縄


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 小中学校の教職員らが校内の駐車場を利用する場合、駐車料を徴収する自治体が徐々に広がっている。一定の税収として見込むことができる他、別の職員との公平性から導入されている。一方、基本的に全県が異動対象となる現場教員からは、一様に反対の声が上がる。公務で使うことも多いとして徴収の免除を求める意見もある。(新垣若菜)

 徴収予定も含め、徴収しているのは那覇市、浦添市、沖縄市、宜野湾市、北谷町、与那原町。那覇は2008年11月から月額3千円の徴収を始め、09年4月からは5千円に増額。浦添は同年1月、沖縄市は20年10月からそれぞれ5千円、宜野湾は今年6月から開始する。

 北谷は18年4月から1500円を徴収。与那原では教職員ではなく、町雇用の学習支援員や用務員が利用する場合、2500円を取っている。

 歳入にも影響する。教員数が最も多い那覇市は22年度の歳入見込みは約6千万円。6月開始の宜野湾市は23年度に約1928万円を見込む。自家用車を頻繁に公務使用してきた教職員への対応としてタクシーチケットの配布や公用車の配置などを進めている。

 県教職員組合中頭支部は21年、中頭地区の小中教職員を対象に実施したアンケートで、回答した462人のうち96%に当たる442人が徴収に「反対」と答えた。通勤に自家用車を使用する452人のうち、自家用車の公務届を369人が提出していた。届け出ることで、自家用車を出張や家庭訪問、引率などに使っている。タクシーでは効率性や利便性に欠け、公用車が使用できない場合もあるとして「業務に多大な支障が出る」との回答が並んだ。徴収状況が自治体ごとに異なることに対する不満の声もあった。

 小中学校では駐車料徴収の動きが広がる中、県学校施設課によると、県立学校で駐車料を徴収している事例はない。