新型コロナウイルス感染対策のマスク着用を個人の判断に委ねる政府の指針が13日から適用される。沖縄県ホテル旅館衛生同業組合によると、13日以降もこれまで通りマスクを着用して接客するホテルが多いという。那覇市のホテルパームロイヤルNAHAでは、10日から前倒しで、接客スタッフがマスクを外して業務に当たっている。
13日以降はマスクを外して接客する方針を定めた同ホテルでは、10日からスタッフの健康状態を確認した上でマスクを外しての接客を推奨している。ホテル利用客などのニーズを確かめることや、スタッフにマスクなしでの接客に慣れてもらうことを目的とする。体調は出勤前の体温測定などで管理する。
ホテル内のパーテーションは撤去した。レストランでこれまで着用を求めてきたビニール手袋は、客からの要望があった場合に限り提供する。
10日は、スタッフがマスクをしていないことへのクレームは1件もなかったという。レストランで手袋の提供を求めたのは利用客約120人中3人だった。
高倉直久総支配人は「表情を見てもらいながら接客をした方が、よりコミュニケーションがしやすく、自分達のサービスが伝わりやすい」と目的を話した。
フロントスタッフのパウデル・サントスさんは「久しぶりにマスクを外して少し緊張したが、マスクをしていない方が接客がしやすい。お叱りの指摘は一つもなかった」と1日を振り返った。
13日から適用される、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、全日本ホテル連盟が共同で公表しているガイドラインでは、マスクの着用を定めた記述がなくなり「事業者において、全ての利用者や従業員に対して、マスク着用を依頼している場合、施設におけるマスク着用、非着用のルールを明確化し、予め利用者に周知することは有用」とされている。
県ホテル旅館衛生同業の担当者は「県内のホテルの大半は、(5月8日に)5類に移行するまでは、マスクをして接客をする傾向がある」と話した。
(與那覇智早)