経産省が南西石油指導 安定供給求める


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 石油販売の南西石油(西原町、リンコン・シオジロ・イシカワ社長)が取引企業に卸売価格の値上げや来年3月末での販売終了を通知している問題で、所管官庁の経済産業省が6日にイシカワ社長ら南西石油経営陣を呼び、県内の石油流通の安定供給に努めるよう指導したことが分かった。

 関係者によると、南西石油は卸売先企業との交渉で来年3月での販売終了の方針を変えていないほか、石油製品の取引価格の値上げに応じない場合は年内にも販売を打ち切る姿勢を示しているという。各社が南西石油以外から石油製品を購入する場合には、南西石油の備蓄施設を使うことを認めるとしている。
 経産省資源エネルギー庁の担当者は琉球新報の取材に対し「取引先との契約交渉にかかわらず、石油流通の安定供給をしっかりやってほしいと南西石油に伝えた。定期的にコミュニケーションを図っており、そのつど安定供給については指導している」と述べた。
 南西石油の親会社で、ブラジル国営石油会社のペトロブラスは既に沖縄からの撤退を表明している。しかし、新たな経営体制に移行するための南西石油の売却は進展が見えない状況の中、今回の一方的な値上げや販売終了の通知に取引企業の間には反発や不安が広がっている。来年4月以降の石油製品の価格や量の確保など、県内の安定供給体制に混乱が生じる可能性がある。