飲料水を所管の厚労省「検討材料に」 米国PFAS厳格化 環境省は今夏までに総合戦略


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米環境保護庁(EPA)が、有機フッ素化合物(PFAS)の一種「PFOS」「PFOA」の飲料水の基準引き下げを決めたことは日本政府にも波及しそうだ。飲料水の基準を所管する厚生労働省は「検討材料になる」としており、水環境の基準の策定に動き出した環境省の判断への影響も不可避とみられる。厚労省は、例年6月、12月ごろに実施する「水質基準逐次改正検討会」で飲料水の水質基準の検討を行っており、PFASも対象となる。現在は、環境省が設定した暫定指針値1リットル当たり50ナノグラムと同基準を定めているが、厚労省の担当者は「新しい情報や知見が出れば、検討材料になる」とし、EPAが示した指針について考慮する意向を示した。

 一方、環境省は1月、PFASに関する総合戦略会議を立ち上げ、正式な指針値の設定を含む総合戦略を今夏までに取りまとめる方針を示している。同省担当者は「EPAに限らず、国際状況を注視している」としており、戦略策定への影響は避けられない見込み。
 (安里洋輔)