5年で1861匹の猫を捕獲・保護 沖縄・やんばる3村 担当者「殺処分、極力しない」


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 沖縄県や国頭、大宜味、東の3村、環境省沖縄奄美自然環境事務所の5者はこれまで、沖縄島北部の生態系保全などを目的に屋外にいるネコの捕獲・保護を行ってきた。県が共同計画の開始延期を明らかにしたことについて、3村の担当者は「県民から募集した意見をしっかり精査するための時間は必要だ」とした上で、生態系保全や適正飼養、譲渡推進を掲げる計画に理解を求める声も上がった。

 県と環境省は2017~21年度の5年間で、希少な固有種が生息する森林域でネコ計149匹を捕獲し、3村は集落内で計1712匹を保護した。捕獲・保護された計1861匹のうち、装着されたマイクロチップなどから飼い主を特定できた90匹は返還された。飼い主が不明なネコのうち1106匹は動物愛護団体に譲渡され、629匹は県動物愛護管理センターに引き取られている。

 動物愛護団体などからは、捕獲・保護されたネコが殺処分される可能性があることを危惧する声が上がっている。これに対して、3村の担当者は大半が返還・譲渡されていることを強調し「譲渡先を探し、殺処分を極力しないという考えの下で計画に臨んでいることを理解してほしい」と述べた。その上で「国、県と情報を共有しながら取り組んでいく」などとした。
 (岩切美穂、安里周悟)