違いを考える絵本 「みえるとかみえないとか」ヨシタケシンスケ作 伊藤亜紗相談<司書の推し本>13


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「お互いの違いについて考える、気付きの多い作品だ」と語る宮城伸尭さん

[推しポイント]クスッと笑える言葉たち

 この本はまず面白い! かわいい絵とクスッと笑える言葉たちが楽しませてくれます。そして、目が見えない人は「かわいそう」でも「不便そう」でもなく、ただ少し立ち位置が違うだけだと教えてくれます。

 人間同士の比較ではなく、宇宙人と人間の比較にして「違っていて当たり前なんだ」と思わせる作者の表現がうまい。大人もはっとさせられる作品なので、ぜひ読んでみてください。
(宮城伸尭 県立与勝高校・与勝緑が丘中学校)

[あらすじ]違いを考える絵本

 宇宙飛行士のぼくが降り立ったのは、後ろにも目があるひとの星。ぼくは普通にしているだけなのに、「後ろが見えないなんてかわいそう」「すごーい!ちゃんと歩いてる!」と言われて何か変な気持ち。

 生まれつき全部の目が見えないひとに出会った。彼らの「見る」世界は、ぼくと大きく違っていた。「おなじところをさがしながら、ちがうところをおたがいにおもしろがればいいんだね」。これは“違いを考える”絵本。


 若者の活字離れ、読書離れが指摘されて久しい。学校からは「図書館離れ」に嘆く司書の声が聞こえる。読書活動推進を目的に、新企画「司書の推し本」では、子どもたちに読んでもらいたい「推し本」を、学校図書館の司書に紹介してもらう。