【記者解説】県連の不信感根深く 県議選への影響懸念も 照屋氏自民を離党


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 県議会副議長で、自民党県連会長や幹事長などを歴任した照屋守之氏(67)=うるま市区、5期目=が22日付で同党を離党した。県議会自民会派を離脱した昨年末の会見では「自民党所属議員」を強調したが、県連側は会派離脱を公然と非難。照屋氏のこれまでの言動に対する不満も重なり、県連との対立構図は次第に鮮明化、離党にまで至った。一方、県連内には来年の県議選に向け、ベテラン離脱の影響を懸念する声もある。

 県連は1月下旬から党紀委員会で照屋氏の処分の審査を始めた。昨年末の自民会派離脱に伴う突然の会見や県連大会を欠席した対応などを問題視したためだ。

 ただ、県民投票に賛成する方針に県連会長として転換したり、新型コロナウイルスに係る病院事業局職員への「パワハラ疑惑」があったりした照屋氏への不満は以前からくすぶっていた。昨年末の一連の言動を受け、一部からは除名を求める声も出ていた。

 一方で「除名などの重い処分は難しい」(県連幹部)との意見もあった。関係者によると、照屋氏も県外の弁護士を代理人とし、処分に反論する姿勢を示していた。

 その最中での離党届提出。照屋氏は本紙の取材に「(会派離脱の)報道以降、『県連に大変なことをしている』との認識が広がった」とこぼした。「正しいと主張すれば良いという話ではない。政治の世界だ。けじめを取らないといけない」と語った。

 すぐに照屋氏の離党を受け入れた県連だが、突然の離党劇には困惑も広がる。党所属県議の減少に加え、影響が懸念されるのは来年の県議選だ。

 前回選のうるま市区の自民公認候補は照屋氏と仲田弘毅氏(県連会長)の2氏。仲田氏は勇退が既定路線とされ、照屋氏が次の選挙に出馬する場合も「普通に考えれば推薦も厳しい」(県連関係者)状況となる。同関係者は「それぞれベテランで地盤もある。仮に新人2人の擁立となれば簡単ではない。照屋氏が出馬すればなおさらだ」と頭を抱えた。
 (大嶺雅俊)