沖縄の「離島割」4月以降も継続へ 県が方針 那覇ー石垣、宮古線


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
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 沖縄県が離島住民の航空運賃を約4割低減している負担軽減事業(離島割)で、一部路線への適用が不透明になっていることについて、県は23日、4月以降も適用を継続する方向で調整する方針を示した。値上げに伴い航空会社間の運賃に価格差が生じる場合に、公金の投入ができなくなるという見立てがあったが、県が公正取引委員会(公取委)に確認したところ「独占禁止法は事業者を対象としており、離島割の継続は問題にならない」との回答を得たという。

 23日の県議会総務企画委員会で(又吉清義委員長)で、國仲昌二氏(立憲おきなわ)に答弁した。

 離島割の適用が不透明となっていたのは「那覇―石垣」と「那覇―宮古」の2路線。両路線を運航する航空会社のうち日本トランスオーシャン航空(JTA)と琉球エアコミューター(RAC)は今月3日、4月18日から離島便の運賃を9~15%引き上げることを発表した。

 那覇―石垣は2社のほか全日空(ANA)とソラシドエアが、那覇―宮古はANAが就航している。ANAとソラシドエアは値上げする意向を示しておらず、価格差がないことを前提とする離島割の制度が適用できなくなる恐れが生じていた。

 県は公取委に確認を取り、「事業の適用条件などは政策目的に沿って判断することが求められる」などの回答が22日にあったという。

 離島割は沖縄関係予算の一括交付金を活用して2012年度に始まった。12の航空路線が対象で、同一路線で価格が競合していなければ、値上げ分も含めて約4割を県が負担する。

 山里武宏交通政策課長は琉球新報の取材に「仮に値上げ分も含めて全額補助すると民間企業の競争を阻害することになるのでそれはできない。補助した結果、航空会社間で価格差が生まれることもありえる」と述べた。

 (梅田正覚)