【うるま】写真家の豊里友行さんがこのほど、新日本出版社から3冊目となる写真集「沖縄に生きる」を出版した。沖縄戦と現在のつながりを問いかけた「沖縄にどう向き合うか」と地続きの作品として制作し、「沖縄で生活する者の視座」から日常を切り取った。写真展が4月上旬までうるま市の大城書店石川店で開催されている。
1999年から2022年までの100点以上の写真が収められている。最初の写真は母が海辺にたたずんでいる1枚から始まり、米兵たちや米軍基地、新基地建設に反対する市民といった作品が続く。最後は父が実家の屋根瓦に洗濯物を干している姿を撮った写真ページで終わる。
豊里さんは、父母や祖母など身近な人から沖縄戦の話を聞くうちに、全員が「生きのびた」という意識を共通して持つことに気が付いた。「戦争体験者は普通に力強く生きている。自分も含めた沖縄の人が、どう生きているか写真を通して知ってほしい」と話した。
(古川峻)