PFAS廃棄物、県内での処理が可能に 県外への運搬費が軽減 琉球セメント工場で対応可


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
泡消火剤(資料写真)

 沖縄県環境整備課は31日、人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)の一種、PFOSとPFOAを含む泡消火薬剤などの液状の廃棄物について、琉球セメント屋部工場(名護市安和)の焼却施設で適正に処理できることを確認したと発表した。

 環境省はPFOS・PFOAを含有する廃棄物を原則、焼却して分解処理するとし、分解効率や施設の構造などの技術的な要件を定めている。

 しかし、これまで要件を満たす施設が県内になく、PFOS・PFOA含有泡消火薬剤などは県外で処理していたため、運搬費用が生じていた。

 琉球セメントは、セメントを1450度で焼成する技術を活用し、これまで廃棄物を処理してきた。PFOS・PFOA含有泡消火薬剤については2022年11月に確認試験を実施し、焼却施設での処理が国の要件を満たすことが確認された。

 同社は県内処理で運搬費用が軽減できることを強調し「施設・能力を活用し、沖縄の環境保全に貢献していきたい」と述べた。

 県環境整備課は「離島県である沖縄にとっては、県内で処理できる環境が整った意義は大きい」と説明した。

 PFOS・PFOA含有泡消火薬剤については、県環境部は2月現在、下地島空港など県有5施設に計5920リットルを保有していることを明らかにしている。
 (安里周悟)