無料塾活用し明治大合格 泊高の富名腰大夢さん、母校で後輩に講話


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泊高校の在校生たちへ自身の勉強法や心構えなどを語る富名腰大夢さん(左)と聞き役の島袋香代子教諭=3月23日、那覇市の同校体育館

 3月に県立泊高校の定時制午前部を卒業した富名腰大夢(ひろむ)さん(18)は、授業料などを全額支援する県の事業「無料塾」を活用し明治大学と東洋大学へ合格を果たした。明治大学へ進学するのを前に、富名腰さんの体験を在校生に語る講話が3月23日、同校体育館で開かれた。勉強法や高校生活で学んだことなどについて後輩たちへ伝えた。

 講話は同校の島袋香代子教諭が聞き役となり、富名腰さんが質問に答える形式で行われた。同校の在校生約70人が話に耳を傾けた。

 富名腰さんは高校進学後、他校に進学した友人らと勉強の話になる際に「負けたくない。勝ちたい」との思いが強まり、勉強に力を入れるようになったことを明かした。

 経済的な理由で進学塾に通えない生徒らを支援する県の「無料塾」を進路指導で知り、利用したことも説明した。高2の時は週3回、高3になってからは毎日、塾に通った。複数の教科書ではなく、1冊に絞って繰り返し、丁寧に学習したという。

 在校生から「英語はどのように勉強したのか」との質問も出た。富名腰さんは「スポーツの記事など関心がある英文から学んでいった」と説明した。英単語を暗記した上で、覚えた英単語を文章の中でも読むなど工夫したことも伝えた。

 4月から明治大学文学部史学地理学科西洋史専攻で学ぶ。後輩たちへのメッセージとして「幅広く学び、いろんなことを経験することが大切。その中で自分のやりたいこともいつか見つかると思う」と呼びかけた。
 (古堅一樹)