宮古牛、コスト増で需要減の恐れも 食肉処理センターが休止 生産者「流通を止めないで」 沖縄


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宮古牛(イメージ写真)

 【宮古島】3月中旬から宮古食肉センターで牛や馬の大型家畜のと畜ができなくなっている問題で、宮古島市の農家や飲食店関係者らから「コスト増で需要が減る恐れもあり心配だ」と懸念する声が上がっている。

 宮古牛を育てる農家の60代男性によると、同センターでと畜した宮古牛のほとんどは市内で流通している。男性は「市内の飲食店や販売店への影響は大きい。と畜のために本島へ移送することで宮古牛の値段が上がるのではないか」と不安そうに話した。

 宮古牛を取り扱う販売店の女性は「宮古牛のブランド化がうまくできていたのに残念だ。ブランドを守るためにも(島内の)流通を止めないでほしい」と話す。女性によると、宮古牛はブランド化により需要が増え、値段は10年前の約2倍まで上がった。現在、次の仕入れのめどはたっていない。女性は「新型コロナウイルスが明けて『これからだ』という時だったのに」と声を落とし、早期解決を訴えた。

 宮古牛を提供する焼肉店の男性店長は3月末から宮古牛の仕入れができず、十分な在庫もないという。「品切れの部位もあり、お客様の要望に応えきれないことがつらい」とした上で、「足りない分は国内外産の使用も検討しているが、観光客は宮古牛を目当てに来ている。判断が難しいと吐露した。
 (友寄開)