沖縄の倒産、22年度は32件 負債総額も過去最少 東商リサーチ調べ


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 東京商工リサーチ沖縄支店が3日発表した2022年度の県内企業の倒産件数(負債総額1千万円以上)は前年同期比3件減の32件、負債総額は同62・8%減の30億5900万円で、いずれも1975年の集計開始以降で最少だった。新型コロナウイルス禍が続く中、金融支援や雇用調整助成金の効果持続などで抑えられたとみられる。

 過去最少だった一方で、22年度の下半期にじわりと倒産の増加傾向がみられ、業績回復の遅れで破綻する企業が目立ってきている。23年度はコロナ関連融資の返済が本格化するため、担当者は「返済が難しい企業の倒産発生に注意が必要だ」と話した。

 倒産件数は20年度(40件)、21年度(35件)に続き過去最少を更新した。32件の業種別では、サービス業が最多で12件、小売業6件、建設業4件などが続く。

 22年度は大型倒産(負債総額10億円以上)が3年ぶりになく、大口倒産(同1億円以上10億円未満)は前年度比5件減の9件だった。

 観光客が戻り景気は回復基調にあるが、物価高に加えて人手不足感が強まっている。同支店の担当者は「価格転嫁や賃上げが難しい零細企業では収益圧迫と人材流出などで廃業に至る懸念もある」と指摘した。
 (當山幸都)