那覇―台北で貨物輸送 ピーチ、旅客機を使用


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ピーチの旅客機に貨物を積み込むスタッフら=福岡空港(資料写真・提供)

 格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション(大阪府)が4日から、那覇―台北間での貨物輸送を開始した。国内の航空会社が那覇空港から旅客機を使用して貨物を輸送するのはコロナ禍後初めて。

 ピーチは那覇―台北間を毎日1往復就航しているが、貨物輸送の対象となるのは、火曜と木曜の午後1時15分発の便となる。主な貨物は菓子や泡盛など計50キロ程度を想定している。4日時点で貨物輸送の予約は入っていないものの、これから問い合わせがあり次第、対応していくという。

 ピーチの担当者は「今後は沖縄から香港やバンコクなど需要がある路線を検討する。開始規模は小さいが、沖縄の物流規模拡大に貢献したい」と話した。

 沖縄国際物流ハブに向け、貨物輸送への補助や、国内最大級の商談会「大交易会」への支援を実施している県商工労働部アジア経済戦略課は「(ピーチの貨物輸送開始は)非常に期待できる。アジア圏になるべく多くの貨物を運べるように、他の地点にも貨物輸送が広がってほしい」と話した。

 那覇空港からは中華航空が台北に、香港航空が香港に旅客便を使用しての貨物輸送を実施している。十分な貨物がないとして、貨物専用機の定期便はコロナ禍以降まだ就航していない。

 2019年の那覇空港の貨物取扱量は31万トンだったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、20年は18万トンまで減少した。県が定める新・沖縄21世紀ビジョン実施計画では、31年には空路での33万トンの貨物輸送を目標に掲げている。

 那覇空港からの輸出貨物への航空運賃の補助は、国外へは90%、国内を経由しての国外は85%となる。 (與那覇智早)