沖銀、16年ぶりベア賃上げ5.4% 副業解禁、孫特別休暇も 働き方改革推進 


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沖縄銀行

 沖縄銀行(山城正保頭取)は5日、従業員の基本給を底上げするベースアップ(ベア)を7月1日に行うと発表した。ベア実施は16年ぶり。基本給を3%引き上げ、定期昇給分を含めた賃上げ幅は5.44%程度となるという。沖銀を傘下に置くおきなわフィナンシャルグループ(OFG)は賃上げのほか、4月からフレックスタイム制や副業解禁、孫がいる社員の特別休暇新設など、4本柱の働き方改革に乗り出す。

 ベアの対象は役員を除く社員や嘱託員、パートタイマー約1700人。グループ各社でもベア実施を検討している。原則禁止だった副業は、ルールを定め「原則可能」とした。業務委託契約などの形態のほか、雇用契約では本業と合わせ1日8時間、週40時間以内とする基準を設けた。

フレックスタイム制度は午前8時半~午後5時で固定していた業務時間を、午前5時~午後10時の間で出退勤時間を選択できるようにした。コアタイムは設定しない。標準労働時間は7時間半だが、満たない日はその分を他の日に振り分けることができるなど、柔軟性を持たせた。

ひときわ独自色を放つのが、未就学の孫がいる社員向けの「んまが(孫)休暇」の新設だ。看護が必要な場合に年次有給とは別に特別休暇が取れる。日数は孫が1人の場合は年度内で5日、2人以上なら10日で、既にOFG社長でもある山城頭取も取得したという。

物価高騰を受けて多くの大企業で賃上げの動きが広がり、県内企業の動向が注目されている。沖銀の金城善輝専務は一連の取り組みについて「従業員のウェルビーイング(心身の健康や幸福)実現に取り組み、社会や経済、地域に貢献していく。賃上げの呼び水になれば」と語った。
(當山幸都)