求人広告を出す中小企業、半数超 人材確保に困る現状を反映〈人が足りない〉㊦


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 琉球新報社と沖縄県中小企業家同友会が共同で実施した人手不足に関する調査では、深刻化する人手不足に企業がどう取り組んでいるのかの回答も寄せられた。求人の取り組み方法(複数回答)は、ハローワークが57社(62%)、身内・知人・友人関係の口コミが56社(60・9%)、求人広告が51社(55・4%)と大半を占めた。

 県中小企業家同友会事務局は求人広告を出す社が半数を超えていることに着目。「以前は口コミや無料のハローワークでの募集にとどまっていたが、今は広告費をかけている。人材確保に相当困っており、なんとか人を確保したいのだろう」と分析した。

 合同企業説明会や学校訪問、インターンシップや会社訪問の受け入れなどで求職者とじかに接する機会を作ったり、SNS発信などこれまでとは異なる方法を取ったりする企業もあった。

 中小企業は新卒採用ではなく、人が不足したときに中途で採用することがほとんどだ。

 同友会事務局は「多くの事業者がこれまで計画的な採用をしてこなかった。業績が厳しくても新卒を計画的に採用し、人材を育成してきた企業もある」と現状を説明。その上で「採用計画、人材育成計画を立てるのは難しいが、自社の目指すべき姿を数値化、成文化していくのが経営者の仕事だ」と指摘した。

 「これまでは沖縄経済の好調さもあり乗り切れてきたが、原材料価格の高騰、人手不足の中、一気に観光客需要が戻っても対応できない。ふるいに掛けられる企業も出てくるだろう。中小企業同士の連携などもより一層重要になってくる」。中小企業家同友会の担当者はそう見通した。 (玉城江梨子)