フランス在住で国際的に活躍する画家・彫刻家の幸地学さん(68)=沖縄県那覇市出身=がこのほど一時帰郷し、8日から浦添市内で個展を開催する。16日まで。コロナ禍の2021年に創作した30点を展示。進行性腎臓がんを患っていた幸地さんは「不安感が漂う心理状態だったが、その中で自由に開放的に明るく、静かなるエネルギーを作品に込めた」と話している。
幸地さんは東京の美術大学で学んだ後、20代でヨーロッパへ渡り修業を重ねた。美術館や画廊を数多く訪ね歩く日々の努力が実り、1989年にパリのギャラリー、クロード・ルマンの専属アーティストになった。これまでニューヨークアートエキスポやアートパリなど数多くの国際美術フェアに出品、2020年には世界最大規模の美術品オークション、クリスティーズ(ロンドン)で作品4点が競売にかけられ、落札された。
沖縄での個展は19年以来約4年ぶり。絵画のほか今年制作した立体のレリーフも初めて披露する。作品には生き物が抽象的に描かれ、絵の背景は宇宙空間を遊泳するイメージだ。「癒やしや自由に生きる憧れを表現している」という。
幸地さんは「自分の作品を通じて沖縄とヨーロッパの絆をつないでいると自負している」と話している。
同展はSWMインテリジェンスセンター(浦添市城間4の10の7)。午後1時から6時まで。入場無料。問い合わせはEメールmkochi@wanadoo.fr
(上原修)