誠もち店がDM大賞銅賞 顧客像把握を評価 全国から応募712点


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第37回全日本DM大賞で、銅賞を受賞した誠もち店のダイレクトメール

 【本部】ダイレクトメール(DM)の戦略性や実施効果などを審査する第37回全日本DM大賞(日本郵便主催)で、本部町の菓子店「誠もち店」(比嘉誠代表)が712点の応募の中から銅賞に選ばれた。2007年の郵政民営化後、県内からの受賞は初めてとみられる。県内の購入客にDMでアンケートを送り、顧客像や人気商品などを把握して売り上げを大幅に増やしたことなどが評価された。

 新型コロナウイルスが流行した2020年から通信販売に力を入れたが、ノウハウがない中で、チラシの作成や事業展開を模索していた。21年の夏に沖縄銀行の本部支店を通して、同行とビジネスマッチング契約をしているダイレクトマーケティング企業「片岡メディアデザイン」(京都、片岡潤哉代表)と連携し、DMの作成を進めた。

 商品の半額券を付けた1千枚のDMを送ったところ、購買客層の多くが家庭のある30~40代の女性で、個人や家族で食べていることが明らかになった。アンケート結果を踏まえ、それまでの供え物などで用いられる沖縄の行事を意識していたポスティングのチラシを刷新。「おかずの一品に」「おつまみに」などメーンの客層を意識したキャッチフレーズなどを盛り込んだ。

DM大賞で銅賞を獲得した誠もち店の比嘉誠代表(左)と、片岡メディアデザインの片岡潤哉代表=12日、本部町の誠もち店

 その結果、21年12月の売り上げは前年同月比2.4倍の約350万円に達し、平均の客単価も同比2768円増の8333円に増加した。

 比嘉代表は「通販の管理、運営方法が分からない中、お客さまが好きな味や購買層をアンケートを通して確信をもって知ることができた」と受賞の喜びを語った。片岡代表は「分析のプロのアドバイスを得ることで、購買データを工夫し、ターゲット像をより明確にすることができた」と語った。

 第37回全日本DM大賞は金賞グランプリ1点、金賞2点、銀賞8点、銅賞12点が選ばれた。 (池田哲平)