「高齢者見守り」商品に おきでんCplusC センサー検知→AI分析→通知


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 沖縄電力のグループ会社おきでんCplusC(宜野湾市、仲程拓社長)は、Wi―Fiセンシング技術を活用しカメラやマイクがいらない高齢者の見守りシステムについて、2023年度中の商用化を目指している。今月10日には、沖電とともにシンガポールのベンチャー企業と覚書を締結。通信機能付きのコンセント「スマートプラグ」を採用してコスト削減を図り、沖縄発のサービスとして全国展開も視野に入れる。

 見守りサービスでは、米オリジンワイヤレス社の技術によるWi―Fiセンサーを一人暮らしの高齢者宅に設置。電波の反射で高齢者の活動や睡眠時の呼吸などを検知する。電力の使用状況や気象情報などを組み合わせてAIが分析し、異常があった場合に家族や自治体に通知する仕組み。

 カメラがないため高齢者のプライバシーが守られ、離れて暮らす家族はスマートフォンなどで様子が確認できる利点がある。21年10月以降、12市町村と高齢者見守りに関する協定が結ばれ、延べ670人以上の高齢者宅で実証が行われてきた。

シンガポールのnamiと覚書を締結したCplusCの仲程拓社長(左から2人目)、沖縄電力の本永浩之社長(同4人目)ら=10日、浦添市の沖縄電力(同社提供)

 覚書を交わしたシンガポールのITベンチャー・nami社はオリジンワイヤレスの提携先で、世界標準規格を採用し汎用性の高いスマートプラグを開発している。これまで見守りの実証事業で使っていた専用機器に比べ、導入コストが数分の一に抑えられるという。

 商用化に向け、おきでんCplusCの担当者は「自治体とも連携しながら、できるだけ安価で県内高齢者の全世帯に社会インフラとして広げ、全国に展開したい」と説明した。
 (當山幸都)