沖縄「離島割」、一部路線値上げで価格差 那覇と宮古・石垣結ぶ路線など 県「可能な限り支援続ける」


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 沖縄県が離島住民の航空運賃を約4割低減する「離島割」。18日から日本トランスオーシャン航空(JTA)と琉球エアーコミューター(RAC)が離島割対象路線で値上げすることを受け、複数社が就航する路線で価格差が生じている。

 現在、離島割の対象路線では、JTA、RAC、全日本空輸(ANA)、ソラシドエア(SNA)、スカイマーク(SKY)、第一航空の6社が12路線を運航している。県は沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業で、各社と市町村と負担金の協定を結んでいる。

 離島住民カードを持つ人は、在住離島発着の全路線で、通常料金よりも約4割安い金額で搭乗できる。離島割の対象となる航空券は、通常の航空券とは異なり、予約する日によって金額が変わることはない。夏や年末年始など、各社がそれぞれ定めるピーク期は金額が上がることがある。

 離島割の中で障がい者手帳を持つ人向けの「障がい者割」と、12歳未満の「小児割」について、県は市町村を通じて還付している。還付金額は搭乗路線によって異なり、対象者は、各社の提供する約4割引の運賃で搭乗した後に市町村に申請し、還付を受ける。

 高校や中核病院のない小規模離島出身の高校生は、約5割の低減を受けられる。対象者は障がい者割や小児割と同様に、搭乗後に市町村での還付を受けられる。第一航空は元々の運賃種別として割引額を設けているため、チケット購入時に割引が受けられる。

 離島割は沖縄関係予算の一括交付金を活用して2012年度に始まった。事業の23年度の当初予算は26億6325万円。県交通政策課の担当者は「離島在住者の足となる路線の運賃形態について、可能な限り支援を続けたい」と話した。
 (與那覇智早)