中小業者の景況感プラスが続く 人手不足や原材料高で業種間にばらつきも 県中小企業家同友会の1~3月期


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 県中小企業家同友会は18日、2023年1~3月期の景況調査を発表した。前年同期と比較した業況判断指数(DI)は全業種でプラス24.6で、前期(22年10~12月期)から2.8ポイント後退したものの4期連続でプラス超だった。人流が回復し、社会活動が活発な一方、人手不足や原材料高が響き、業種間でばらつきが生まれ微減となった。

 4~6月期は為替相場や原油高などが落ち着く傾向にあることから、より回復に向かう期待感で1.3ポイント改善のプラス25.9と、プラス超が継続する見通し。

 業種別では全5業種中、建設業、流通.商業、情報が改善した。製造業は後退が続き、サービス業は改善から悪化に転じた。

 全業種の売上高DIは0.5ポイント減の24.1だった。年度末に収益が上がる建設業で売り上げがずれ込んだこともあり全体を押し下げた。製造業は原材料費の上昇で費用増加や価格転嫁の判断の難しさから、売り上げが伸び悩み、大幅に悪化しマイナス超に転化した。経常利益DIも全業種で2.3ポイント悪化し10.7だった。資金繰りDIはサービス業以外の業種で改善した。

 経営上の問題点では仕入価格の上昇、従業員の不足に続き「同業者相互の価格競争の激化」が前期の6位から3位に。価格転嫁の課題が強まった形だが、喜納朝勝代表理事は「中小企業は価格転嫁しないと生き残れず値上げしかない。少しずつでも(価格を)上げていく流れだ」と説明した。

 その上で今後の展望について「人手不足の中、給与も上げるには価格も上げないといけない。いろんな価値を伝えていくために、高付加価値化を目指していくことが大事になってくる」と指摘した。

 調査は3月1~24日に実施し、147社から回答を得た。
 (謝花史哲)