【沖縄】沖縄市観光物産振興協会(島袋隆会長)が2022年度に受け入れた修学旅行生、個人まち歩きなどが過去最高の1万4千人を超えた。コロナ禍の行動制限が解除され沖縄観光も回復基調にある。その中で、コロナ禍前の最高実績を約5千人も上回った。協会はコザ・沖縄市観光の個性的な魅力発信をさらに強化する方針だ。
協会がまとめた22年度の実績によると、高校の修学旅行153団体、1万3738人を中心にゼミ研修団体、個人まち歩きなど合計1万4420人が訪れた。コロナ禍前の19年度の約9700人を上回った。
協会が掲げる観光コンセプトは「After1945~基地の街KOZAを歩く~」。基地がつくった街ならではの“コザ物語”だ。
復帰前の異国情緒が色濃く残るゲート通り、多文化共生、広大な米軍嘉手納基地、沖縄戦の米軍上陸地点を展望できる探究型平和学習、沖縄戦降伏文書調印式が行われた場所など、沖縄戦から現在までの歩みを知ることができる。
チャンプルー文化の発祥地でもあり、エイサー、音楽、空手、琉舞など多様な体験プログラムも用意されている。戦後の沖縄が凝縮されているとも言われる個性的な歴史、文化、風土が観光客を魅了している。
初めて沖縄市観光を実施した学校も多かった。協会には「日本とアメリカの間で翻弄(ほんろう)されている沖縄の過去と現在を感じることができた」「教科書で学んだ歴史だけでは分からなかった生活や文化を肌で感じる貴重な体験になった」など、さまざまな感想が寄せられている。
3月30日に市内のホテルで開催されたガイド活動報告会で感想の内容が紹介された。
担当スタッフは「認定観光ガイドの積極的な協力なしには達成できない数字だった」と感謝した。出席した約20人のガイドも新年度への決意を新たにし、懇親を深めた。
(岸本健通信員)