県内企業の景況感、全業種でマイナスを脱却 3年ぶりの回復の動き 沖縄公庫1~3月期


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 沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は19日、2023年1~3月期の県内企業景況調査を発表した。前年同期と比べ業況が「好転した」とする企業の割合から「悪化」を差し引いた全産業の業況判断DIは、22年10~12月期から1.4ポイント上昇し20.2で4期連続のプラスとなった。観光需要の高まりで観光関連産業を中心に回復の動きが広がり、約3年ぶりに全業種でマイナスを脱却した。

 引き続き、人手不足や原材料高などの影響があるが、行動制限緩和などで県民の外出する機会や観光客が増えたほか、原材料高の価格転嫁が一定程度進んだことから、前回悪化超だった建設業が0.0の「持ち合い」まで改善し、情報通信業も好転超に転じた。全業種でマイナスを脱したのは、19年7~9月期以来となった。悪化超が続いていた建設業は公共工事で価格転嫁が進むなどし予想以上に上振れした。下請け業者も含め業界の中でも、上昇する原材料費を価格に反映しやすくなっていることが背景にあるという。

 経営上の問題点では、原材料高が長期的に続く不安感から「原材料高」が1位の24.5%を占め、1995年の調査開始以来、高い割合となった。

 来期(4~6月期)の見通しは観光需要が高まるとみてさらにプラスの22.9を予測。調査は2月下旬から3月下旬に実施し332社から回答を得た。
 (謝花史哲)