人口減少が進む地域で人手不足を解消するための「特定地域づくり事業協同組合制度」を活用して発足した「みやこ地域づくり協同組合」(沖縄県宮古島市、吉井良介代表理事)が21日、県庁で設立会見を開いた。
2020年施行の「特定地域づくり事業推進法」に基づく制度。組合が労働者を正規雇用して一定水準の給与を確保した上で、年間通して二つ以上の職場に派遣する仕組み。「人口急減地域」で知事の認定をもって設立できる。県内初事例。
初年度は市内から4人を雇用する予定。設立発起人が運営する観光業や食品製造業、水産養殖業の5事業者に派遣する。総事業費は約1620万円で半額を国と市が補助する。
雇用された労働者は本人の意向を踏まえて二つ以上の事業者へ派遣される。4~6月は水産加工業、観光シーズンの繁忙期の7~10月は飲食店、閑散期の11月からは水産養殖業に就くなどのスケジュールが想定される。企業側は派遣労働者の働き具合や本人の意向を踏まえて正規雇用をすることもできる。
25年度には雇用を10人程度、派遣業者も15業者程度までに拡充する計画だ。
発起人らは深刻な人手不足を背景に協同組合設立を目指した。3月14日に知事から認定を受けた。吉井代表理事は「労働者にとってはいろいろな仕事に携わることで自分に向いている分野を考えるきっかけになる。県内初事例なので、良い結果を出したい」と語った。
(梅田正覚)