沖縄民謡を未来に残すには 宮沢和史さんと平田大一さんが「唄方プロジェクト」を語り合う 貴重な記録映像に涙する場面も


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沖縄音楽などについて対談する宮沢和史(右)と平田大一=那覇市の県立図書館3階ホール(喜瀬守昭撮影)

 沖縄民謡の記録と伝承を目的とした「唄方プロジェクト」の一環で制作したCDボックス「沖縄/宮古/八重山民謡大全集I 唄方」について、監修を務めた宮沢和史とプロジェクト代表の平田大一の対談イベントがこのほど、那覇市の県立図書館で開かれた。同図書館の主催。制作の経緯や収録、編集の過程などを語った。沖縄民謡の魅力や民謡を未来へ残すための取り組み、意義について議論した。

 CDボックスは2016年に完成し、約600カ所の公的機関に寄贈した。

 宮沢が4年かけて沖縄民謡の歌い手200人以上を訪ね、県内各地の民謡245曲を収録した。宮沢は「登川誠仁さん(の音源と映像)を記録したいと思ったのが始まりだった」と振り返った。

 唄方プロジェクトでは音源に加え、演奏時の映像も収録した。故人となった民謡歌手らの貴重な映像も含まれている。対談イベントではダイジェスト版の映像も初めて公開された。

 宮沢は「映像はしかるべき時にまとめたい」と語った。平田が「今も脈を打っている作品だ」と思わず涙する場面もあった。

 3月1~20日の期間、図書館5階で関連展示が行われた。唄方プロジェクトの活動の紹介やCDも再生された。
 (田中芳)