三上監督が新作、南西諸島の軍備強化に抗う人々を追う 24年の公開予定 うるま市で番外編の上映会


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三上智恵監督が2024年に予定する最新作公開を前に、番外編を鑑賞して南西諸島の軍備強化について感想などを話し合った参加者ら=15日、うるま市勝連比嘉の「本と商い ある日、」

 【うるま】2019年の陸上自衛隊宮古島駐屯地の開設など、南西諸島の軍備強化の動きにあらがう人々の姿を追い続け、時系列で収めた三上智恵監督の作品上映会が「うるまを戦場にさせない会」主催で15日、うるま市勝連比嘉の「本と商い ある日、」で開かれた。作品は24年の公開を目指して製作している最新作の番外編で、上映時間は45分。25人が来場し、鑑賞後に三上監督を交えて感想を共有した。

 同作は22年11月の日米統合演習「キーン・ソード」の物資搬入現場や、23年1月に弾道ミサイルの飛来を想定し那覇市で実施した国民保護訓練の様子も収録した。

 鑑賞後、参加者らは「勝連分屯地でもミサイル部隊の配備計画があるが、宮古の状況を見ると、何年も前から戦争の足音が迫っていたことが分かった」などと感想を言い合った。那覇市から訪れた大学4年生の宮﨑あかねさん(22)は「(反対する人々を見て)権力に対する言葉が無力になっていると感じ、危機感が募った」と述べた。

 三上監督は「新作を公開する前に現場の状況を知らせようと番外編を作った。本土が思い描く国防の在り方を知ることで、おのおのにできることを考えてほしい」と語った。

 上映会を主催した「うるまを戦場にさせない会」は5月20日午後2時からうるま市健康福祉センターうるみんで、同21日午前10時半から「本と商い ある日、」で上映会を実施する。さらに、沖縄市中央のシアタードーナツ・オキナワは5月17日まで、午前10時50分と午後2時10分に上映する。

 沖縄記録映画製作を応援する会が同作を無料で貸し出している。問い合わせは同会事務局、電話03(5919)1542。
 (名嘉一心)