辺野古めぐる裁判 沖縄県「最高裁判決、地方自治の本旨に抵触」と意見 抗告訴訟


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那覇地裁

 名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤改良工事に伴う防衛省の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡り、不承認の効力を回復させるための抗告訴訟の第2回口頭弁論が26日、那覇地裁(藤井秀樹裁判長)で開かれた。県側は、国側が主張の根拠にしている埋め立て承認撤回を巡る抗告訴訟の最高裁判決(2022年12月)に意見を述べた。国側は県の主張に反論する考えを示した。

 次回期日は7月12日に決まった。22年の最高裁判決は、県の埋め立て承認撤回を取り消す国土交通相の裁決を取り消す訴訟について、県が起こすことができないと判示。国側はこの判決を根拠に、県には訴訟を起こす適格性がないとして訴えの却下を求めている。

 26日の弁論で県側の仲西孝浩弁護士は、最高裁判決が地方自治の本旨と憲法に適合する解釈を行っていないなどと訴えた。県判断が国に覆され司法判断を仰ぐ機会がないことは「憲法92条の地方自治の本旨、団体自治に正面から抵触する」と主張した。

 県は21年11月、軟弱地盤の調査が不十分であることなどから設計変更申請を不承認とした。国交相は県の不承認を取り消す裁決をし、さらに承認するよう求める是正の指示をした。不承認に関する県と国の訴訟はほかに、県が国の関与取り消しを求めた2件がある。2件の訴訟は3月16日に福岡高裁那覇支部で県の訴えが退けられ、最高裁に上告受理を申し立てている。