5枚組のCDボックス「沖縄の音楽 記憶と記録 コンプリートCD BOX」の発売を記念したコンサートが15日、沖縄市のミュージックタウン音市場で開かれた。沖縄を代表する民謡唄者の徳原清文、金城恵子、前川守賢や、ジャズ・シンガーの安冨祖貴子ら12人の歌い手が、歌い継がれる沖縄の名曲を伸びやかな歌声で披露した。CDはよしもとミュージックから12日に発売され、コンサートは「島ぜんぶでおーきな祭第15回沖縄国際映画祭」の特別企画の一環。
音楽プロデューサーの立川直樹さんと島唄研究家の小浜司さんの選曲と監修で、沖縄の日本復帰50年に合わせて制作した。戦前から現在までの沖縄民謡を中心に、ジャズやロックも含め沖縄の名曲92作品を網羅した。コンサートでは2人のトークセッションもあった。
幕開けは、次代のホープとして活躍が期待される若手民謡唄者・松原忠之、伊藤幸太、宜寿次光、村吉茜が「ナークニー」を力強く歌った。ソロでもそれぞれが持ち味の歌声を聴かせ、若い世代に島唄をつないでいく強い意志を感じた。
1部の締めくくりは、ペルー出身の県系3世・長嶺ルーシーが「てぃさんぐぬ花」を、スペイン語を織り交ぜて優しく歌った。
2部は安冨祖が櫻井萌(ピアノ)と「サマータイム」「えんどうの花」などを迫力あふれる歌声で聴かせた。
3人組ユニット「ひがけい子♪シュビーズ」は、反戦歌の「艦砲ぬ喰ぇ残さー」や「芭蕉布(ばしょうふ)」「娘ジントーヨー」を歌い、観客との距離を縮めた。
後半にかけて前川と金城、徳原はデュエットでも観客を盛り上げた。金城の代表曲の一つ「想い」では前川と一緒に歌い、観客から歓声が上がった。トリは、徳原の「今帰仁宮古ノ子」で締めくくった。フィナーレは全員が舞台に出て歌と三線、指笛を響き渡らせ、にぎやかに終演を迎えた。
(田中芳)