民間作業船、潜水機を投下 宮古沖陸自ヘリ事故 引き揚げへ作業開始


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海底に沈む陸自ヘリの機体を引き揚げる網の準備作業が行われる作業船の後部=29日午前11時28分、宮古島市沖

 【宮古島】宮古島市沖で発生した陸上自衛隊ヘリコプターの事故を巡り、民間作業船「新世丸」が29日午前、海底に沈んだ機体の引き揚げに向けた作業を開始した。伊良部島と池間島の間にある現場海域で海底に向けて無人潜水機(ROV)を投下した。船からROVをつり下げ、周辺の状況を調べているとみられる。現場海域では新世丸に加え、別の作業船3隻も確認できる。

 新世丸は、深田サルベージ建設のグループ会社・オフショアエンジニアリング(東京)の船で、搭載されたROVにはロボットアームを取り付けることが可能で、船からつり下げたまま海中を移動して作業することができる。

 実際の引き揚げには別の作業船も入り、最終的には網で機体主要部分を下からすくい上げる形を目指すとみられる。

 事故機は10人乗り陸上自衛隊UH60JAヘリコプター。これまで隊員とみられる6人が伊良部島の北側約6キロの海底で見つかっており、うち5人が引き揚げられて死亡が確認された。見つかったもう1人や機体の主要部分は海底に残ったままだ。

海底に沈む陸自ヘリの機体を引き揚げる網の準備作業=29日午前11時2分、宮古島市沖