【宮古島】宮古島市沖で発生した陸上自衛隊ヘリコプターの事故を巡り、民間作業船「新世丸」が29日午前、海底に沈んだ機体の引き揚げに向けた作業を開始した。伊良部島と池間島の間にある現場海域で海底に向けて無人潜水機(ROV)や網を投下。船からROVをつり下げ、周辺の状況を調べた。30日も同様の調査を行い、本格的な引き揚げ作業に着手する見込みだが、天候次第で遅れる可能性もある。
現場海域では新世丸に加え、別の作業船3隻も確認できた。新世丸は風や潮流の影響を考慮し、船首の向きを変えながらROVを投下。その後、ワイヤーのような物でつるした巨大な網を海中に下ろした。
新世丸は、深田サルベージ建設のグループ会社・オフショアエンジニアリング(東京)の船。搭載されたROVにはロボットアームを取り付けることが可能で、船からつり下げたまま海中を移動して作業することができる。
実際の引き揚げには別の作業船も入り、最終的には網で機体主要部分を下からすくい上げる形を目指すとみられる。
事故機は10人乗り陸上自衛隊UH60JAヘリコプター。これまで隊員とみられる6人が伊良部島の北側約6キロの海底で見つかっており、うち5人が引き揚げられて死亡が確認された。見つかったもう1人や機体の主要部分の引き揚げを急いでいる。(友寄開)