登山などで道に迷う要因や楽しむための注意点は? 銘苅盛暁さん(日本山岳会沖縄地区担当)に聞く


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日本山岳会で沖縄地区担当の銘苅盛暁さん

 山での道迷いが増加傾向にあることについて、公益社団法人日本山岳会で沖縄地区を担当する銘苅盛暁さんに、要因などについて話を聞いた。銘苅さんは「登山は、子どもから高齢者まで楽しめるスポーツ。危険なものとは決めつけないで、皆さんに楽しんでほしい」と語り、登山を楽しむための注意点を挙げた。 (聞き手は池田哲平)

 

―道迷いの要因は。

 「一般的には次の4原則を順守しない場合に発生しやすくなると言われている。一つは自分の居場所が分からないまま、この道が正解であると思い込み、行動してしまうこと。二つ目は『道に迷ったら戻る(登り返す)』が原則だが、安易な下山を選択してしまうこと。三つ目は下山を焦り、危険な道を無理やりショートカットしたり、沢に降りたりすること。四つ目は、登山は午後3時には終了するという原則を守れないこと。樹林帯は日の入り時間よりも早く暗くなる」

 

―山登りの注意点は。

 「注意点は次の7点が挙げられる。(1)まずは地図を読めるようにする(2)要所ごとに、自分が居る場所を確認する(3)道迷いは、低山が多いことを意識する(4)迷ったと思ったら、すぐに戻る(5)一緒に登る仲間と常に行動する(6)ポイントにあるマークを確認する(7)遭難した場合を考え、助かる方法を知っておくことだ。沖縄の山は、亜熱帯性の植生が厚いため、頂上は見晴らしがよくないこともある。常に周囲を観察し、道しるべや目印を見落とさないようにする必要がある」