JAL、ANAの航空大手2社、3年ぶりに黒字 コロナ禍の最悪期を脱する 23年3月期


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 大手航空2社の2023年3月期連結決算が2日出そろい、日本航空とANAホールディングス(HD)の純損益がいずれも黒字となった。通期で黒字になるのは両社とも3年ぶり。新型コロナウイルス対策の行動制限がなくなって国内旅行が回復したほか、訪日外国人の増加が追い風となった。両社は24年3月期も黒字を見込んでおり、コロナ禍による最悪期を脱した。

 日本航空が2日発表した23年3月期の純損益は344億円の黒字(前期は1775億円の赤字)。売上高は前期比約2倍の1兆3755億円だった。

 東京都内で記者会見した同社の赤坂祐二社長は、国際線の回復は国内線よりも遅れていると説明。「政府の水際対策の終了が、日本人の海外旅行の増加につながることを期待したい」と語った。貨物専用機を13年ぶりに導入し、物流市場の需要拡大を取り込む考えも示した。

 ANAHDは純損益が894億円の黒字(前期は1436億円の赤字)で、売上高は67.3%増の1兆7074億円だった。

 24年3月期の売上高は、日本航空が20.5%増の1兆6580億円、ANAHDが15.4%増の1兆9700億円を見込む。純利益は、日本航空が国際線の利用者増を受けて59.8%増の550億円になると予想。ANAHDは23年3月期に税効果で利益が膨らんだ反動が出て、10.6%減の800億円になると想定した。
(共同通信)