新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが「5類」に移行した8日、感染対策が個人の自主的な取り組みを基本とした考え方に切り替わったことを受け、県内各企業でも従来の対策を解除する動きが広がった。ただ接客機会の多い業種では、飛まつ防止対策を続けるなど一部で継続。大型連休中に感染報告例が増えたこともあって、警戒感は強く、感染防止の対応はしばらく続きそうだ。
従業員のマスク着用について個人の判断に任せたり、飲食店では客席に設置していた仕切り板を撤去したりするなど対策の切り替えが目立った。
沖縄都市モノレールはマスク着用など各駅に掲示していた感染対策の周知を図るポスターやアルコール消毒液を順次撤去。係員のマスク着用も個人の判断に委ねた。
県バス協会加盟各社は乗務員の後ろの座席など一部ふさいでいた席の開放を始める。飛まつ防止カーテン設置や乗務員のマスク着用などは各社に任せる。第一交通産業グループ沖縄地区は「マスクをしている方が安心だ」という乗客の声を反映し、当面は乗務員のマスク着用や飛まつ対策を続けていく意向だ。
小売り大手では、ほとんどが仕切りパネル設置を継続する。
サンエーは、間隔を空けることやマスク着用を促す表示を撤去するなど来店客への呼びかけをやめた。レジに設置してきた飛まつ防止用の仕切りは継続し、従業員へのマスク着用は推奨を続けていく。担当者は「お客さまの安心、安全を考慮すると残すべきと判断した」と話した。
イオン琉球は、レジの仕切りは設置を続け、従業員のマスク着用は任意に切り替えた。担当者は「従業員のマスク着用は個人の判断に任せる。ただ県内の感染状況は落ち着かないのでレジなどでの仕切りは残していく」と説明し、換気や二酸化炭素濃度を測る機器の設置など従来の感染防止策も引き続き取り組む方針。
タウンプラザかねひでもアルコール液や飛まつ防止パネルの設置は「当面の間、継続していく」としている。
琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行の地銀3行は、3月から来店客のマスク着用を任意としていたが、窓口対応の職員の着用についても個人の判断とする対応に切り替えた。飛まつ対策のパーティションやパネルも原則として8日から撤去した。ただ、顧客から要望があった場合や、行員が医療関係施設を訪問する際は状況に応じてマスクを着用するなど、運用には柔軟性をもたせる。
(謝花史哲、當山幸都、與那覇智早)