現在は逮捕段階であり無罪推定が働いているが、分かっている事実から浮かぶ問題は3点ある。1点目は、面談や聞き取りは複数人で行うべきではないかということだ。聞き漏らしや独善的判断を防ぐために複数人とする場面も多い。1対1の場合は、密室にならないような配慮がなされるべきだが、徹底されていなかったのではないか。
2点目は、子どもと接する職員の履歴をどうチェックするかという問題だ。教員については、わいせつ行為が隠蔽(いんぺい)されたまま異動して被害が繰り返されていたことが問題となり、チェックは厳格化された。子どもに接する者への履歴がチェックされるべきであることと、就職後の厳格な研修の実施も求められる。
最後は被害児童に対するケアだ。容疑者との面談は初めてではなかったという。容疑者からのグルーミング行為(わいせつ行為をするために信頼を得るような準備行為をすること)があった可能性がある。信頼する大人からのわいせつ行為は子どもの心に大きな傷を残す。児童のプライバシー保護と心のケアが重要だ。
グルーミング罪は現在法案審議中だが、一日も早い成立を願う。
(ジェンダー法)