マギー(豊見城市)の購買分析システム、沖縄発で全国へ 富士薬品グループの923店舗にクーポン発券端末


この記事を書いた人 琉球新報社
マギーが開発した購買分析システムで発券されるポイント還元クーポン。医療薬大手の富士薬品が全国展開する薬局923店への導入が決まった(提供)

 データ分析のマギー(豊見城市、山川朝賢社長)が開発した購買分析システムを活用した店頭クーポン発券端末が、全国展開する富士薬品(埼玉県、高柳昌幸社長)の薬局923店舗に導入される。11日、両社が発表した。9月末までに富士薬品グループの薬局「セイムス」などドラッグストアチェーンに順次配置し、サービスを開始する。会員登録した顧客一人一人に合った商品のクーポンなどを店頭に設置した液晶型の端末で提供し、顧客満足度と同時に売上高の向上を図る。

 県内スーパーなどで既にサービスを開始しているマギーは、今回の全国チェーンへの進出で1社としての導入規模が過去最大となった。山川社長は「全国のホームセンターやスーパーなど幅広い企業に導入を進めたい」と意欲を語り、沖縄発事業として展開を加速させる考えだ。

 導入企業が保有する購買履歴などの顧客データに、各地域の流通を分析したマギー社独自開発のデータや商品情報などもかけ合わせてデータベース化し、会員と商品の関係をAIで分析する仕組み。動画も配信可能で、カードやアプリをかざした会員一人一人に合わせた商品のクーポンやキャンペーン、くじなどのサービスでで高いポイントを還元し、お得感や購買意欲の向上につなげる。

 富士薬品は昨年12月から2カ月、約200店で試験。1人当たりの平均来店頻度(%)が不使用会員と比較し、利用した会員が8ポイント改善した。1人当たりの買い上げ点数の割合も2ポイント高かったという。購買率向上への高い期待から正式採用が決定した。

 マギー社によると、県内でも約2年前からスーパーのフレッシュプラザユニオンや丸大に同種の機器を導入しているほか、愛知県や岐阜県など中部で展開するドラッグストアチェーン約400店に提供するなど実績を重ねてきた。

 富士薬局は顧客に最適なクーポンを発券するサービスによる満足度向上を期待し「今後は学習した購買傾向からニーズを踏まえ、クーポンの拡充とより魅力的なプロモーションを展開していく」としている。
 (謝花史哲)