「ここからが本番。観戦に集中できる」 22年間の闘牛担当通信員、息子にバトンタッチ 平川康宏さん、智之さん 沖縄・うるま


社会
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22年にわたる闘牛通信員の務めを終え、息子の平川智之さん(左)に引き継いだ康宏さん=4月28日、うるま市石川東恩納

 【うるま】2001年から22年間、琉球新報の闘牛担当通信員を務めてきた平川康宏さん(74)がこのほど、息子の智之さん(41)に通信員のバトンをつないだ。智之さんは5月から本格執筆に当たっている。

 自身も牛カラヤー(牛飼い)の康宏さんは、闘牛大会に出場する牛の血統や闘い方の特性、戦歴などに精通し、大会の予報記事や結果を報じる記事、解説などで健筆を振るった。「22年間にわたって、闘牛組合連合会会長をはじめ牛主や関係者に協力してもらい感謝している。後継通信員にも協力をお願いしたい」と話す。ただ「闘牛引退」とはならず、ここからが本番だ。「執筆や締め切りの重圧から解放され、これからは観戦に集中できる」と喜んだ。

 智之さんの子ども時代には「勉学に集中してほしい」とあえて闘牛を見せに連れて行かなかったが、智之さんはやがて父の背中を追って自ら闘牛場に通うように。

 現在は肉用牛を肥育しつつ、家畜人工授精師の仕事もしている。智之さんは「父が書いた記事を読み、私も闘牛の楽しさや魅力を伝えたいと思った。沖縄の伝統文化として闘牛を後世に残す手伝いができればと思う」と決意を語った。

(島袋良太)