ブラインドサッカー普及へ、希望のパスつなごう 県内チームが来月初試合、設備不足が課題 琉球Agachi


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
南風原に拠点をおくブラインドサッカーチーム「琉球Agachi」のメンバーら(屋良景斗さん提供)

 アイマスクを着用してプレーするブラインドサッカー。2020年の東京パラリンピックで日本代表が初出場し初勝利を収め、近年は注目が高まっている。沖縄県内でも17年に「琉球Agachi(アガチ)」が発足し、南風原町の花・水・緑の大回廊公園を練習拠点として活動している。高校生や社会人らが精力的に練習に励む一方、チームの認知度は低く、試合に欠かせないサイドフェンスなどの設備が確保できていないといった課題もある。

 琉球アガチは「沖縄県民がゆいまーる精神をより発揮できる社会をつくること」をビジョンに掲げ、競技を通して障がいの有無にかかわらず助け合える社会を目指して活動している。

 ブラインドサッカーは障がい者スポーツだが、国内大会では一定の条件を満たせば視覚障がいのない人もアイマスクを着用して出場できる。琉球アガチは視覚障がいの有無を超え、高校生3人を含む15人がチームに所属し、結束力を高める。

 しかし、選手が自由にコートを駆け回るために不可欠なサイドフェンスは一式500万円以上で、確保できていない。

 国内には競技の普及・啓発のために試合用のフェンスを購入している自治体が複数あり、琉球アガチは沖縄でもフェンスを確保できるようにと広く呼びかけている。

琉球Agachi代表の屋良景斗さん

 6月18日に糸満観光農園で開催される「北海道沖縄フェスティバル」での試合に向けクラウドファンディングを実施している。寄付を資金に北海道のチームと県外の審判を招致、サイドフェンスを県外から借用して本格的な試合を観客に見てもらう計画だ。試合後には観客を巻き込み競技の体験会を開催して魅力を広め、視覚障がい者への声かけの方法も伝授する。

 自身も視覚障がいがある琉球アガチ代表の屋良景斗さん(32)は「来場者に迫力のある試合を体感してもらい、視覚障がいに興味を持ってもらうきっかけになれば」と意気込んだ。

(西田悠)


YUIMAで資金募る

 ブラインドサッカーチーム「琉球Agachi」(屋良景斗代表)は県内初試合に向け、クラウドファンディングYUIMAで資金を募っている。6月18日に糸満観光農園で開催される「北海道沖縄フェスティバル」(糸満フードフェス実行委員会主催)で実施する。1時間の試合に加え、観客が参加できる30分の体験会を開催する。雨天決行。クラウドファンディングは琉球新報のサイト「YUIMA」で6月4日まで実施。サイトはhttps://yuima-okinawa.jp/project/detail/1013から。