県内地銀3行そろって増益 純利益の合計は前期比19%増の135億円 与信費用低下などが寄与


この記事を書いた人 琉球新報社

 沖縄県内の地銀3社(琉球銀行、おきなわフィナンシャルグループ=OFG、沖縄海邦銀行)は12日、2023年3月期決算を発表した。経常利益、純利益ともに3社で増益となり、合計の連結純利益は前期比19.8%増の135億7600万円と2年連続で増加した。融資先の焦げ付きに備える与信コストを抑えられたことなどが増益に寄与した。

 3社合計の売上高に当たる経常収益は同4.2%増の1253億3500万円、経常利益は同13.6%増の192億5100万円だった。3社の業績は、連結の経常利益ベースで琉球銀行と、沖縄銀行を傘下に持つOFGが増収増益、沖縄海邦銀行が減収増益だった。

 銀行単体の本業のもうけを示すコア業務純益は同9.5%増の184億4100万円。低金利下で貸出金利息は伸び悩んでいるが、新型コロナウイルス禍からの経済回復を背景に、各行の事業性貸し出しは22年3月期から増加した。

 一方、銀行によっては海外金利の上昇を受けた外債の売却損が利益の押し下げ要因となる一面もあった。その影響が続くことや、コロナ関連融資の今後の返済本格化などを見込み、24年3月期は3社とも減益を予想している。
 (當山幸都)