15日午後5時から16日午前8時ごろまでの間に、沖縄市中央の照屋林助三線店の三線5丁が何者かによって盗まれた。沖縄の芸能と娯楽をリードした故・照屋林助さんの次男で、50年以上にわたり三線制作に携わる照屋林次郎さん(70)が製作した三線で、1丁60万、総額300万円になる。
店には三線などの弦楽器が10本以上あり、そのうち照屋さん製作の三線だけが盗まれていた。沖縄署が捜査を進めている。
照屋さんによると、店は15日午後5時ごろに照屋さんが戸締まりをした。16日午前8時ごろ、照屋さんの母が通用口のドアノブ付近のガラス窓が割れていることに気が付き、発覚したという。通用口から工房、店舗へと続き、店舗内の棚に三線が飾られていた。
盗まれた三線は眞壁(まかび)型と与那城ゆなー型、江戸与那城型、糸蔵長(いとくらなが)与那城型、久場ぬ骨(ふにー)型の5種類。五つとも漆を塗らず棹(さお)の素材を生かした質感が特徴。照屋さんは「犯人は私の作品だと知っていたのではないか。貴重な材料を使っているので返してもらいたい」と話した。